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 岐阜高島屋閉店どうなる岐阜の中心部

(1)閉店の経緯

10月13日突然、2024年7月末で岐阜高島屋閉店のニュースは、岐阜市民にとって衝撃でした。これにより、岐阜県は、島根県、山形県、徳島県に次いで、4番目の百貨店ゼロ県となることになりました。

この原因は、岐阜高島屋の赤字が継続し、1977年に開業し入居したビ平和ビルの老朽化で、抜本的改修投資費用32億円を、店子の岐阜高島屋、大家の岐阜土地興業で双方とも負担することに合意せず、また、岐阜県、岐阜市も様子見となったため、苦渋の決断に至った模様です。岐阜土地興業はすでに、数年前から家賃引き下げに応じており、これ以上の支援は、難しいと判断したようです。

(2)今後の影響

①岐阜高島屋の年間売り上げは約120億円。これが、消えてしまうことの、岐阜経済への影響は大きいものと考えられます。

②地価の低下への影響、岐阜市の税収への影響が懸念されます。

③駅前(問屋町)、西柳ヶ瀬などシャター通りの増加、百貨店のない岐阜県という衰退イメージの風評リスクが高まることが懸念されます。

④この春、オープンしたグラッセル35の入居への影響 高齢者に便利な岐阜高島屋の地下食品売り場がなくなることで、住民が買い物難民化しかねません。

⑤近年盛り上がった柳ヶ瀬商店街の客足に悪影響しかねません。

(3)空きビルの活用への不安

高島屋でなくとも、今後の活用には、更新工事、解体費用の捻出がのしかかります。

(4)今後について

高島屋の閉店を惜しむ声がたくさん寄せられていますが、実際に、岐阜高島屋がなくなると、柳ヶ瀬の賑わい、人通りにどのような影響が出るのかを見極めるのは時間がかかりそうです。

10月19日のサンデービルディングマーケットには、たくさんの人が集まりましたが、今後、柳ヶ瀬はすたれてしまうのか。心配な反面、明るい材料もたくさんあります。

  • 名古屋に近い

  名古屋へ20分、駅の利用者が、他都市より多い。

  令和3年の一日当たりの平均乗降客数はJR岐阜駅約4.9万人、名鉄岐阜 

  駅約2.8万人 合計約7.6万人と一般的地方都市約5万人よりはるかに

  多い。

  • 名鉄高架事業 名鉄名古屋本線の名鉄岐阜駅と岐南駅の間の高架化を目指す名鉄高架事業が今年から始まる。これにより、駅前再開発の可能性が高まるのではないか。

  • 名古屋勤務者の居住地  岐阜駅北側に金華橋通りを挟んで、国の補助金の活用。タワーマンションが、2棟建設予定。

  • LIFULL HOME’Sの中部圏版借りて住みたいランキング5年連続1位となっています。

  • リニア新幹線効果の波及

その一方で、心配の種もある。それは空洞化の加速です。

  • さらなる車社会の蔓延

  • 郊外の大型商業施設の増加 イオン系列、(正木、各務原)カラフルタウン(柳津)モレラ岐阜(本巣市)

小森忠良はこう考える 

 岐阜市内中心市街地の衰退の原因は、人口が郊外に広がった(スプロール現象)ためです。さらに、2004年名鉄3線(岐阜市内線、揖斐線、美濃町線)の廃線で、買い物客が中心部に来なくなりました。中心部には、駐車場がないことで、客足が遠のき、すでに1999年に閉店した近鉄百貨店についで、新岐阜百貨店2005年、パルコ2006年、メルサ2009年の閉鎖につながっていきました。

最近、鉄路をいかした事例が増えています。富山市のLRTは、中心市街地に定住者を誘導するコンパクトシティ政策の成功につながっています。また、今年7月には、栃木県宇都宮市で、LRTを建設費約500億円で完成しました。

富山市、宇都宮市ができて同じ県庁所在地の岐阜市ができない理由はあるのでしょうか。岐阜市は市長の重要政策の5本柱に、中心市街地の活性化を掲げて、精力的に取り組んでいます。さまざまな角度からの取組みを期待したい。旧岐阜市役所跡地には、7階建ての十六FGの本社が、移転することになりました。1階から3階は、公共スペースとして市民に開放されます。これをいかに活用するのか。若者のアイデアを岐阜市は、待っています。

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